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ケミカルピーリングは、ニキビや美肌・エイジングケアに対する治療として広く行われています。
ピーリングとは、フルーツ酸やサリチル酸などの酸を表皮に塗布し、古くなった角質を剥離・除去する治療です。
ケミカル（chemical：科学的な）ピーリング（peeling：皮むき）の名の通り、細胞そのものを溶かすのではなく、代謝の低下して活力を失った肌細胞同士の接着を弱め、古くなった角質をはがれやすくしていきます。
角質を除去することで新しい肌に生まれ変わらせ、ニキビやニキビ跡、シミ、くすみなどを改善することができるのです。
角質のつまりを改善し毛包内の皮脂や雑菌を排出させる効果もあり、特にニキビに対しては高い効果を発揮します。

ケミカルピーリングで用いられる薬剤にはいくつか種類がありますが、多く用いられるのがAHA（アルファヒドロキシ酸）です。
AHAはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの総称で、柑橘類などのフルーツによく含まれていることからフルーツ酸とも呼ばれ、その中でもよく用いられるのがグリコール酸でのケミカルピーリングです。
グリコール酸はサトウキビに含有される天然成分で、分子量が小さく肌にも浸透しやすく刺激が少ないという利点があります。
角質層下部のヘミデスモゾ－ム（細胞同士をくっつけている接着部位）を切り離して接着を弱めます。

また、医療用に用いられている高濃度のグリコール酸（通常は20～80パーセント前後）では、角化細胞の剥離だけでなく、角質の代謝の促進、真皮レベルでの弾性繊維（コラーゲン・エラスチンなど）を生成させる、メラノサイトがメラニンを作る働きを抑制する、などの効果もみられます。
古い角質を落とすだけでなく、肌の代謝サイクル・ターンオーバーを正常に戻し、シミを予防し、ハリ・ツヤ・肌のキメが増していきます。
まれに低濃度のもの（10パーセント以下）を含む化粧品や市販のピーリング剤もありますが、医療用に用いられているものとは濃度、すなわち効果は比べ物になりません。
また、インターネット等でケミカルピーリング用の薬剤を輸入する方もいらっしゃいますが、安全性が未確認のものが大半で、使用方法を誤ると色素沈着や白斑を生じたり、時には元に戻すことができない不可逆の瘢痕が残ることもあるため、ご自身では用いないほうが無難です。

なおケミカルピーリングやマクロピーリングで余分な角質を除去した後は、高濃度ビタミンCやプラセンタ・ヒアルロン酸といった美肌成分をイオン導入で直接お肌に取り入れるとより効果的です。 ビタミンCやプラセンタなどの成分は分子量が大きいためそのまま肌に塗っただけでは浸透しませんし、食べ物として摂取しても消化の過程で分解されてしまいます。
イオン（電極）の力を利用して直接肌細胞に有効成分を取り入れることで、美白やコラーゲン生成を促しさらに効果を高めることができます。